
1980年代、生物学者エレーヌ・グリマルと生体エネルギー研究家ファヴィアン・ママンが細胞に音を聞かせる研究を重ね、癌細胞を死滅させる周波数を発見します。イギリスの医師ピーター・ガイ・マナーズは、これらの研究から、人間の各組織の周波数の乱れが病気を引き起こしていると考え、周波数の乱れた組織へ正常な音(周波数)をあてれば、体の調子を整えられるかもしれないと音響医学の研究を始めました。同じ頃、イエール大学の解剖学部教授ハロルド・サクストン・バーが、人間の身体の周囲に測定可能な電磁場(エネルギー体)が存在することを発見します。これにより人間に限らずこの世の生物全てに電磁場による鋳型が存在し、肉体の設計図として、その振動が物質を形作っていると提唱、その理論を「ライフフィールド(生命場)理論」と名付けます。バーの発見した生命場に細胞が健康な時に発している音を聞かせれば、不調を抱えた人を健康な状態に戻すことができるかもしれない。1930年代にドイツで研究された健全な人体の細胞の5つの音の組み合わせによる合成音のデータ研究を引き継いだマナーズ博士は「生体には生体場があり、それと共鳴する音は5つの音で、さらに調和音でなければならない。5つの音の組み合わせの時のみ3次元の形を作り、それを維持することができる」と発表します。
マナーズ博士は研究に半世紀以上を費やし、人体を健全化する約4000種類もの複合調和音を見つけ出すことに成功、それに約600種の音のパターンを組み合わせ、共鳴(レゾナンス)させることで体の不調を整えるサイマティック装置を開発しました。それらはマナーズサウンド(サイマティクスサウンド)と呼ばれ、代替治療の一つとして国連や世界保健機構(WHO)にも認められました。
マナーズ博士の夢は音響医学が世界中の医療現場で活用されることでした。その功績が認められ、1993年には国連からダグハマーショルド最優秀賞を、英国王室からはサー(Sir)の称号が授与されています。
マナーズ博士は音響振動療法の国連認定教育機関として母国イギリスにブレットフォートン・ホール・クリニックを開設。そこでは骨折などのケガから脳血管障害やうつ病などに至るまで様々な疾患の方が訪れ、驚くような回復を見せていました。